苦情処理解決に関する分析と課題

2022年度 苦情処理解決に関する分析と課題

苦情受付体制委員会

◇苦情受付処理状況


 2022年度は、福祉サービス苦情解決第三者委員会にて報告した苦情件数は1件であり、苦情を受け付けた事業所数は17事業所中1事業所であった。

 苦情内容・苦情発生理由ともに「連絡調整」についてであり、「早急に対応・改善」・「書類や様式の工夫」を行い、終結となっている。


◇苦情処理解決に関する分析と課題


 過去5年間の苦情受付件数をみてみると2018年度(3件)・2019年度(4件)・2020年度(2件)・2021年度(1件)・2022年度(1件)と推移しており、件数としては、減少傾向である。法人内で苦情・ヒヤリハット報告の内容や改善策を第三者委員会等で共有し、各事業所の取り組みに活かしていることや、申し出に対して、苦情に至らない迅速や対応や丁寧な説明等を実施しているためと考えられる。一方で今年度第1回の福祉サービス苦情解決第三者委員会において、例として「いつも」「以前から」などにより、苦情(ヒヤリハット)と捉えられなくなる正常性バイアス(判断や意思決定・理解等の偏り・脅威や危険の過小評価)による危険性や「お世話になっている」ため言い出せない可能性についてご指摘をいただいた。福祉サービスの向上のためには、挙がってきた苦情(ヒヤリハット)に対し、改善を図っていくとともに、日頃から自分たちの業務を振り返ること・客観的に物事をみることの重要性を再認識する機会とすることが出来た。

 ヒヤリハット報告では、内容が多様化しているように感じる。今後も事業所間で共有し、蓄積していきたい。


◇委員会のその他の取り組み


 昨年度に引き続き2022年度も苦情解決第三者委員会と苦情受付体制委員会主催の法人内研修をそれぞれ2回、オンラインにて実施した。苦情やヒヤリハットは、実際に起こってしまったことであるが、そこから多くの学びがあると思われる。第三者委員会では、各事業所の報告からの学びや先生方からのご意見・ご指摘等を活かし、日々のサービスの向上に繋げていく。

 新任職員対象の研修では、苦情に対する取り組みの必要性と法人内の苦情受付体制の講義を行った。内容に苦情に対する福祉の歴史的背景から現在の規定・取り組みの根拠があり、研修後の参加者からの意見から、資料のまとめ方や説明の仕方に課題がみられた。中堅職員対象のクレーム対応の基本研修では、講義とグループワークを実施した。グループワークでは、グループごとに苦情事例について意見交換を行ったが、どのグループも活発であり有意義な研修となったように思う。

 委員会として研修内容・資料・説明方法等をブラッシュアップしていきながら、法人全体に苦情への理解を広げ、また深めていけるよう引き続き、取り組んでいきたい。