令和4年度事業報告

理事長 宇留野 光子

令和4年度は多くの事業所が新型コロナウイルスの発症によるクラスター発生等の対応に追われた1年であった。この間それぞれの事業所全体での詳細な取り組みによる利用児者の健康管理、職員の勤務体制確保等様々な事を実践してきた。特に各事業所のコロナ対応の経過報告においては、種々参考になる事も多かった。そして今後これらの経験をもとにしながら、5類対応について検討を行い、事業継続に遺漏の無いように努めて行きたい。

さて、各事業全体の運営を振り返ってみるとやはりコロナ禍の影響を受け、収入減額の実績となった。今後の各事業所の運営を鑑みると経営の厳しさが年々増加してくるであろうことが推察できる。以下、今年度の状況から3分野の課題を簡単に整理してみる。

  • 1.高齢者分野においては3事業所ともに単年度の欠損が大きく、運営内容及び収支改善が喫緊の課題である。場合によっては具体的に事業の更なる縮小について検討しなければならない。
  • 2.障害者施設の運営については、現状としては安定した運営が可能にはあるが、在宅事業の運営が今後難しくなってくることが推測できる。そのため、より地域のニーズを汲み取ったサービスが必要であり、よりきめ細かな運営が求められる。
  • また、療育園においての全面建て替えによる財務上の逼迫が生じ、法人全体へその影響が及ぶことが懸念される。今後のより一層の運営の工夫による回復が課題である
  • 3.保育所においては、楽観はできないが当面事業の継続は可能と判断している。2事業所の環境立地環境の影響もあり、課題は異なるが地域のニーズを把握し運営に当たる事が重要となる。

1.芳香会組織の抜本的な見直し

(1)本部体制・中期計画の見直しについては、具体的な取り組みが未実施となった。引き続き令和5年度の事業活動予定として実施して行く。

(2)職員育成システム再構築を行う
エイデル式人事考課制度とマッチングした学習・研修においては改善できなかったが、次年度に再考して行く。
中堅職員・役付職員の研修においても新たな研修においては未実施であるが、次年度以降には取り組み職員育成に努めて行きたい。

(3)事業部制導入の研究
高齢・障害・児童(保育)の3分野個々の課題や運営の工夫等分析し、今後の中期計画策定に継続可能なように準備を進めた。

2.事業継続計画(BCP)の見直し

(1)感染症禍による事業継続においては、各事業所がクラスター発生時の対応等を学び実践してきたが、今後の対策においても学び実践可能となるよう心がけて行きたい。

(2)自然災害禍における一つの対策として、防災士資格取得を推奨した。今年度も数名の職員が取得可能となり、地域の状況を把握しながら活動の機会を得て行きたい。

(3)事業継続計画策定においては、他の法人や関係機関の計画を参考にし研修を開催する事が未実施のため次年度以降には開催して行く。

3.各事業の環境の変化を強く意識しながら運営に当たる

(1)障害者施設においては、高齢化・重度化に対応の工夫、運営の在り方を模索した。また在宅事業においては対象者のニーズに応えるべくサービス提供に努めた。

(2)保育所においては、乳幼児の受け入れがより可能となるよう保育士の配置に努めた。自治体による人口減少やニーズの変化等にも今後一層の把握をし、運営努力をして行く。

(3)高齢者施設においては、それぞれの施設課題は異なるが利用者数の増加に努めて行く。

4.働き方改革・次世代育成計画をさらに進める

(1)有給休暇の取得率の向上については、全体で対前年比10.2%の向上という結果であった。しかしながら個々の取得日数には、5日から40日との差があり、このことの改善も含め、工夫できるよう努めていく。

(2)超過勤務の削減実施には至らなかったが、業務内容の改善や業務効率化の対策も駆使して行く。

(3)定年の引き上げについては、実施案を策定したが、継続雇用制度の内容の見直しを含め、さらなる検討をすべく次年度の予定とする。

①育児休業取得状況

対象者数取得者数取得率
女性12名(7名)12名(7名)100%(100%)
男性2名(5名)0名(0名)0%(0%)
14名(12名)12名(7名)85.7%(58.3%)

※( )内は令和3年度の数字

②有給休暇取得状況

年度年度年度取得取得率
日数平均/1人
令和4年度259名4,740日3727.5日14.39日78.64%
令和3年度276名5,009日3428.0日12.42日68.44%

③超過勤務状況

年度延べ人数時間外平均/1人
令和4年度5,333名24,940H4.7H
令和3年度5,202名23,060H4.4H

5.労働災害の状況について

施設名職種発生日起因分類傷病名休業災害分類
1つくし園事務員4/25交通事故頸椎捻挫1日業務災害
2療護園(非)生活支援員6/8不注意左手母指
打撲・爪下出血
なし業務災害
3つくし園生活支援員6/28不注意左肋骨骨折なし業務災害
4つくし園生活支援員8/2介助時の
無理な動作
左手首の捻挫なし業務災害
5養護支援員11/5利用者からの激突首・左手首の捻挫
後頚部の擦過傷
なし業務災害
6療護園生活支援員3/1介助時の
無理な動作
腰部筋肉の緊張による炎症反応なし業務災害
7療護園生活支援員3/29介助時の
無理な動作
激しい運動による腰痛なし業務災害

備 考

【起因分類】 不注意による怪我、介助時の無理な動作、利用者からの激突、精神疾患、交通事故、ワクチン接種後のアナフィラキシーショック

【災害分類】 業務災害、通勤災害

6.2022年度 本部関係実施状況

実施日内容備考
2021/10/29茨城労働局と面談し労災防止の為の計画的な実施を指導される
「労災防止取組計画」作成 12/13届出
期間 R4.1月~12月
2022/3/29入社式・辞令交付式(新規学卒者等)
4/4 5/9 6/8
7/6 8/4 9/5
10/5 11/8 12/6
1/5 2/7 3/4
全体管理者報告会開催
4/25 5/26 6/28
7/25 8/25 9/26 
10/25 11/28 12/27
1/26 2/27 3/28
施設長会議開催
毎月誕生者へのお祝いメールの送付とお祝い品の贈呈
4/18技能実習生第3陣到着
4/22 4/28技能実習生第2陣到着 
4/27 8/30 12/28経営改善会議
5/6事業報告・決算各事業所ヒアリング実施
5/14監事事業報告・決算ヒアリング実施
5/21令和4年度第1回理事会開催
5/23「ふくしきらり人」任命式本部3階にて開催
右記2名が任命される
(「福祉きらり人」は県社協事業で福祉の魅力発信を担う)
特養 中川章太郎
(男性)
療護 ヌニン
(女性・インドネシア人)
5/26 11/28令和4年度移動献血事業
5/31安全衛生学習会開催「職場における労働災害防止」
6/1辞令交付式(正規職員登用辞令交付)
6/7(療育園)施主完了検査
6/11令和4年度第1回定時評議員会開催
6/23(療育園)建物引き渡し
6/25(療育園)竣工式
7/8 11/21令和4年度交通安全講習会開催(全2回)
7/22 8/24 9/22
10/27 11/30 3/24
令和4年度給与担当事務員学習会開催(全6回)
7/27労災防止取組計画実施結果報告(1~6月分)茨城労働局(古河労基経由)へ提出
8/11福利厚生事業実施(大相撲巡業古河場所入場券等)
8/29育児介護休業法改正に関する学習会開催講師 柄澤顧問社労士
9/1労災防止取組計画実施結果(1~6月分)に対する確認と指導
+S a f eコンソーシアムへの参加を打診される
指導については特段の指摘無し
後日参加する旨返答した
9/5 3/27会報「せいらんそう」の発行と関係者への送付
9/19-21県による一般検査(実地、書面)
つくし、養護、特養、療護、療育、蕗、牛ヶ谷、たま
牛ヶ谷、たまは書面検査
その他は実地検査
10/26 3/23令和4年度苦情解決第三者委員会開催
11/4第1次補正予算・事業活動中間報告各事業所ヒアリング実施
11/12令和4年度第2回理事会開催
11/19第5回障害者福祉セミナー開催共催:(福)茨城県社会福祉事業団
11/22第21回全国福祉村サミット主催:(福)函館厚生院
11/26令和4年度第2回評議員会開催
11/29令和4年度第1回苦情受付体制委員会主催法人内研修開催
12/14第19回実務研究発表会開催
12/20 3/15令和4年度個人情報保護対策推進研修会開催
1/20令和4年度財務担当事務員学習会
1/31労災防止取組計画実施結果報告(7~12月分)茨城労働局(古河労基経由)へ提出
2/24最終補正予算・事業活動計画各事業所ヒアリング実施
3/4令和4年度第3回理事会開催
3/14新任職員・随時採用職員合同研修会開催
3/18令和4年度第3回評議員会開催
3/29入社式・辞令交付式(新規学卒者等)